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特別賞作品 東京都:高針 蓉子さん
運と縁
「住まい探し」に対する姿勢は、人によって様々だと思います。一生に一度の買い物だからと長い期間をかけて調べる人もいれば、「ビビッ」と来て瞬間的に決める人もいるでしょう。
しかし、最終的な決め手になるのは「運と縁」だと思います。自分のものにならないものに対して15万近い家賃を払うことに激しい損失感を感じていた私は、同じお金を払うなら自分で家を購入してローンで払った方がよいと考えるようになりました。そして、家の購入を思いつき、無料情報誌で資料にめぼしをつけたあと、いくつかの会社に資料請求をしました。
私はまだ20代なので、正直それだけでつれなくされる会社もありました。世の中のシビアさと人はいかに表面の肩書きだけで物事を判断するかを痛感した瞬間でした。しかし、その中で特に親切に対応してくれた不動産屋がありました。その差別しない態度に好感を持ったので、そこに出向き、候補にあげた家を中心に何件か回ってみました。見学の結果、自分の条件と大方当てはまる物件を見つけ、購入を前向きに考えるにいたりました。
しかし、ここで一つ問題が浮上しました。「家の代金」です。払えないことは無い金額でしたが、予算をやや上回る金額だったので、決めかねたのです。すると、担当の方から神の福音がもたらされました。「決算が近いので、購入を決めてくださるなら400万値下げしますよ。」この一言で、私は購入を決めました。自分で購入した家に住んで1年がたちましたが、自分で自由にできる分精神的にとても楽な生活が送れています。ローンも、家賃よりも大分少ない額で、助かっています。もし不動産屋を訪れなかったら、そして、もし料金が落ちなかったら、今の生活は無かったでしょう。自分の住まい探しを振り返った際、私は理屈をこえた「何か」の存在を感じないわけにはいかないのです。








