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特別賞作品 山口県:ほのぼのママさん
不動産三兄弟!?
家を建てたいと思い始めたのはある造成現場を見てからだ。まだ乳児の子供をベビーカーに乗せ散歩する途中にその現場はあった。作業の方々が真剣に造る様子に感心した。
私だったら日当たりの良いあの角地に住みたいなあ、でもそんなの夢か。他の人が買って素敵な家を建てるんだろうな。いいなあ。ああ、でも欲しいこの土地。でも高くて手を出せない。そんなことを思いながら、泣く泣く通り過ぎた。
2ヶ月後、そのうち家を建てないといけないのなら、そろそろ住宅展示場でも見学に行ってみようかという話になり、偶然目に付いたチラシの住宅メーカーに行ってみた。担当は眼鏡をかけ、髪を七三に分けた30半ばのサラリーマン風といった方。金利が安かった時代。ローンの試算を見て、購入出来そうな気になってきた。他のメーカーも見てまわるつもりだけど、一応最後まで話を聞いてみよう。担当の方が言う。「新築となると土地がいりますよね。この物件なんかどうです?」あっ!!なんと私たちがいいなと言っていたあの造成地。それもあの角地!「ここいいなと思ってたんですけど。でも、どうして?」「私の長兄が不動産業をやってまして、その土地で、次兄が設計してこの造成地を作ったんです。」はあ!なにー、不動産三兄弟!?
「ちなみにお向かいに、長兄がうちのほうで新築してくれて住む予定です。」これはなんという縁だろうか?運命?それともまんまと不動産三兄弟にしてやられている?ローンが支払っていけるかという不安はあったが、結局そのまま契約してしまい、1年もたたないうちに欲しいと思っていたあの土地に住んでしまった。風が強くて困ることがあるが、それなりに快適な生活を送っている。今でも、私たち夫婦は運が良かったのか、縁だったのか、それとも三兄弟に踊らされたのか、真相が分からないまま、まじめで眼鏡をかけた長兄の不動産会社社長さんとご近所づきあいをさせてもらっている。








