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特別賞作品 北海道:JINさん
クリスマスの夜なのに!
私達夫婦の家探しは去年のクリスマスの夜、救急隊員からの電話から始まった。それは母がベッドから落ち、大腿部を骨折したのだった。緊急手術がされている間、私達は今後のことを話し合っていた。父は、初期の認知症であり、マンションで一人暮らしは無理である。母の退院やリハビリはいつになるのだろうか。結論は出ることもなく時間だけが、虚しく過ぎていった。手術は成功だったがリハビリ後の住居が問題だった。病院の相談員から老人ホーム等勧められたが、札幌市の福祉施設、特に老人ホームは5年10年待ちという厳しい現実が私達の前に立ちはだかった。
私達は、正月から老人ホーム探しであちこち走り回った。札幌から100キロ程離れた白老という小さな町の老人ホームに空室があり、両親は入居できることとなった。幸運を喜び帰路に着いた私達は、吹雪による大渋滞に巻き込まれ5時間もの運転となった。私達も白老のある胆振管内に引っ越すか?ドイツ人である妻は、快諾してくれた。「北海道は好きよ。でも、雪が多すぎるわ。もう少し暖かくて海や森林が近くて広い庭のある郊外の一軒家が良いわね。土地は 500平方mくらいかしら」
私は、日本でそんな好条件の物件があるわけないだろうと心中思っていた。私達は、お見舞い、両親のマンション売却手続き、家探しと多忙だった。自然、気候から胆振管内の室蘭を移住の地に決めた。白老に近く海と山に囲まれた人口十万人の都市である。しかし、希望条件に合う物件はなかなか見つからなかった。だが、春の訪れと供に、マンション売却を依頼していた会社から良い情報が私達に届いた。520万円で210坪の土地、築25年の3LDK一軒家である。私達が下見に行くと、3年ほど見に来た客はいなかったと聞かされ驚いた。その場で購入を決意した私達は、慌しく室蘭へ移住した。海や山を見ながら、隣町の登別の温泉巡り、両親の住む白老へと出掛けている。そろそろ家庭菜園の準備をしようかと話しながら今日も寛いでいる。








