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特別賞作品 滋賀県:アツのままさん
山口県のお母さん
ひょんなことから大学生活は実家を離れて送ることになった。もう20年近く前にことである。早速、両親と住まいを探しに行った。大学が斡旋してくれていた。
女子寮はなかったので、アパートか間借りの選択肢しかなかった。当時は、料理といえば御菓子作りしかしたことがなかったし、普通の高校生程度に親をうっとうしいと思うことはあったが、家を出るということは全く考えていなかったので、1人暮らしの「住まい」の知識が全くなかった。ないその状態で、何軒かアパート見せてもらった。玄関のドアをあけて何歩か歩いたらもう猫の額ほどのベランダだった。「えぇー」と言葉にならない言葉が感想だった。
結局、茶道の女先生の大きなおうちに間借りさせてもらうことになった。食事付ということで私も気にいった。また両親もいろんな意味で気にいっていた。しかし、実際、間借りの生活が始まると厳しいことばかりだった。門限、挨拶、入浴のマナー、廊下の歩き方といろいろな生活の指導があった。
最初は居心地の悪かった間借りも、そのうちに大家さんを山口県のお母さんと呼べるほどになった。家主と間借り人という関係を超えて、山口県のお母さんとので出会いは一生の宝物になっている。








